開発プロジェクト

ZAM®ストーリーPart2

1995年、住宅建材メーカーのニーズと市場の期待を受けて、ガルタイトに替わる新しいめっき鋼板の研究ははじまった。 それから5年後の2000年7月、多くの人々の熱い想いと知恵と努力が実を結び、高耐食性溶融めっき鋼板ZAM®は、市場へのデビューを果たした。
想いは研究開発からはじまり、製造部門へ、そして販売へと完結したかのように思われる。 しかし、新製品プロジェクトは、まだスタートラインに立ったばかりだった。

1.順調なスタートを見せた住宅建材分野

新聞 100年住宅を目指す積水化学工業(株)の鉄骨系ユニット住宅"セキスイハイム"への全面採用が新聞に大きく報じられると、その反響は大きかった。 その高い耐食性、優れた犠牲防食性、環境への配慮など、市場が待ち望んでいた商品だったのである。 他のお客様に対しても技術と営業が一丸となって、加工、材料、設計の全ての面で拡販に向けた活動が展開された。

その結果、パナホーム(株)、大和ハウス工業(株)、積水ハウス(株)、旭化成ホームズ(株)と多くのお客様に採用いただき、日新製鋼が建材分野でNo.1という現在に続く成果につながっている。

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2.商品名ZAM®をアピール

確かにZAM®は住宅建材用として開発のスタートを切った。 しかし、日新製鋼が総力を掛けて生みだした主力となる商品だけに、このマーケットだけで満足する訳にはいかなかった。 そこで住宅建材としての採用決定と同月の7月、愛媛県今治市において大々的な展示説明会「需要家披露見学会」が開催された。 6月に竣工しZAM®の生産体制を確立したばかりの東予製造所の見学会を兼ね、主要なお客様130社、約180名を招待してZAM®の特長並びにさまざまな用途への可能性を積極的にアピールした。 この見学会を皮きりに、2000年から2001年にかけて主要都市でZAM®独自の展示会を開催し、述べ3,500人以上の来場者を集めた。

また、同時に広告・広報活動も積極的に展開。 とにかく多くの需要家にZAM®という商品を知ってもらうことが先決だった。 "日新製鋼ではなくZAM®という名前を認知してもらおう。 そして知名度を上げ、拡販へとつなげよう"、これはZAM®の拡販を目的に設置されたZAMチームも販売も広報も同じ考えだった。 カタログもポスターも新聞広告もZAM®という商品名を大きく打ち出す。 "まずは商品ありきからスタートする"これがZAM®の販売戦略となった。

ZAM® ZAM®の展示会

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3.新たなマーケットへの試行錯誤

ZAM®の知名度向上を図る活動は、徐々にその成果を見せはじめ、販売各部門も問い合わせ対応や製品プレゼンテーション、サンプル納入などに追われる日々が続いた。 しかし、新商品の販売はすぐに実を結ぶものではない。 特にZAM®は世界初のめっき鋼板であり、過去の事例もデータもないのである。 社内でのさまざまな耐久試験やお客様へのデータ収集結果の提出。 さらにはお客様の下での加工性評価や最終製品としての耐久評価、こうした工程が何度も繰り返され、本当にお客様が求めるニーズに合致する素材であるかの検証が行われる。 そしてすべての条件に合格してはじめて採用されるのである。

「確かに、あるメーカーではまず認定されるまで2年、さらに採用されるまで1年ほどかかりました。他社の採用事例も当然ない、全くの新商品ですからね。」 と自動車鋼材販売部の担当は言う。 「自動車分野におけるZAM®の拡販は、まずZAM®という新製品がお客様のどのようなニーズに応えられるかを探すことからはじまりました。 高耐食、長寿命、後めっきや後塗装の廃止によるコストダウン、クロムフリー化による環境対応等、さまざまな売り方を試行錯誤しましたが、自動車分野では、コストダウンが最も強いニーズであることがわかりました。

そこで私たちは、後めっきや後塗装を廃止してトータルコストを低減するという提案を行うことにしたのです。 そのためにカーメーカーはもちろんのこと、こうした後処理をほどこした部品を製造している部品メーカーを徹底的に洗い出し、これまでお取引のないお客様へもZAM®の売り込みを開始しました」 お客様のニーズを掘り起こし、ご要望に応えるという草の根を分けるような営業マンの活動は実を結びつつあり、すでに自動車のさまざまな部位でZAM®は使用されている。 自動車分野へのZAM®の拡販は、今まさに拡がりを見せはじめているのである。

研究開発、製造、販売、広報、そしてZAM®チームなど全社一丸となった拡販は着実に成果を出している。 2002年には、環境保護への配慮を睨みZAM®のクロムフリー後処理にも成功。 ビニールハウス用パイプやコンポストプラント(堆肥舎)などの酪農関連へと、さらに販路を拡げる結果となった。

遮音壁

遮音壁

防風板

防風板

ドアモジュール

ドアモジュール

コンポストプラント

コンポストプラント

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4.可能性は世界へ

2003年、シンガポール、フロリダ、そして中国・上海で、ついにZAM®は世界デビューを果たした。 国内のマーケットの開拓と併せて、今後、需要が見込まれる海外に対してもいち早く行動する日新製鋼のスピードがそこにはあった。 折しも米国の鉄鋼セーフガード(緊急輸入制限)が撤回されるというニュースがその年の暮れには伝わってきた。 いよいよ世界戦である。 可能性はある。 特に巨大マーケットである中国に日新製鋼は早くから着目していた。 技術協力、支援、投資を続け、ZAM®販売の拠点はすでにできている。 さまざまな局面が待ち受けているであろう。 しかし、世界初の技術力を投入したZAM®は、世界の需要家にも高い評価を得るに違いない。

フロリダで行われた米国最大の建材展に出展

フロリダで行われた米国最大の建材展に出展

上海ファインスティール展 上海ファインスティール展

ZAM®を中心としたプライベート展
「上海ファインスティール展」

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5.さらなる未来を見つめて

ZAM®は2003年、月産約2万トンにまで成長した。 ZAMチームの担当は「これは、2000年から蒔いた種が実を結び、除々に収穫がはじまったからです」と語る。 また、「現場の営業マンだけでなく全従業員がZAM®を育てようと一致団結している。 ZAM®の拡販は日新製鋼の最重要テーマであり、2年後には現在の1.5倍である月産3万トンを目指す」と、今年販売総括に赴任したチームリーダーは熱弁を振るった。 その裏には、1年以上かけてエアコン室外機の底板にZAM®採用をさせるなど、営業マンとして見てきたマーケットからの確かな手ごたえと自信があった。

鉄のマーケットは巨大である。 そこにZAM®の販路も広大に存在する。 しかし、製品はメーカーや需要家の手を通してはじめて商品となる。 それを創造していくのは社員一人ひとりの力にほかならない。 ZAM®を育てマーケットを創造していくのは私たちなのである。 未だZAM®の開発プロジェクトはプロローグが始まったばかりなのかもしれない。

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