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トップコミットメント

強固な企業基盤の構築を果たし新たなステージへと向かいます

2015年度の振り返り

2015年度は、自動車・建築分野を中心に国内の鋼材需要が弱含みとなったほか、期末にかけ進行した円高、中国の経済減速に伴う余剰鋼材の輸出で国内外の市況が悪化するなど、厳しい経営環境でした。このような中、当社グループは24号中期連結経営計画(以下、24号中計)の推進と、旧日新製鋼(株)と日本金属工業(株)との経営統合に伴うシナジー効果の最大化に取り組みました。

製造面では、ステンレス分野で周南製鋼所の新連続鋳造設備が4月に稼働、衣浦製造所の製鋼工程を11月に休止し、周南製鋼所への生産集約による最適生産体制の構築に取り組みました。特殊鋼分野でも呉製鉄所で新精錬炉(LF:Ladle Furnace)が10月に稼働を開始しました。

販売面では、基幹製品である高耐食溶融めっき鋼板ZAM®の新製品ZAM+®(ザムプラス)の投入、ステンレス分野での高機能製品の販売、カラー鋼板の新製品の販売など、当社グループの強みであるコア製品の拡販に努めました。一方で、引き続きグループ一体となった合理化・総コスト削減活動を徹底するとともに、自家発電設備の発電率向上対応などエネルギーコスト削減設備の安定稼働対策にも取り組みました。

しかしながら、原料価格の急激な下落による在庫評価損の拡大などにより、連結業績は減収減益となりました。

強固な企業基盤の構築で健全に発展

24号中計では、6つの施策の一つに「強固な企業基盤の構築」を掲げました。社会や地球環境と調和した健全な発展の実現に向けて、企業存続の原点となる企業基盤を構築するため、「コンプライアンス活動の強力推進」「顧客要求に応える高品質の追求」「社会に貢献する環境保全」「安全・防災の徹底」に取り組んでいます。これら4つのテーマにおける主な成果には以下が挙げられます。

  • コンプライアンス活動:内部統制推進部の設置による、リスクマネジメントとコンプライアンス活動の一体運営
  • 高品質の追求:ZAM®のJIS認証取得、ステンレス鋼種の統合
  • 環境保全:環境負荷低減に向けた設備改善対策の実施
  • 安全・防災:トラブル再発防止策の徹底や、設備関係費用の増額などによる未然防止策の推進

前述のテーマのうち、とりわけ「安全・防災の徹底」は、日々の事業推進の根幹を成すものです。現場の隅々までフォーカスを当てて、小さな異常を感じたり、ちょっとした変化を読み取る力が管理・監督者には求められます。これらこそ、現場の真の姿を見極め、安全を継続させ、防災をより強固にする現場力だと言えるでしょう。

2016年度の主な取り組み

2016年度は24号中計の最終年度にあたり、同計画の完遂はもとより、将来を見据えた構造改革にも取り組んでいます。

まず、これまでに実施した戦略投資の成果の回収を進めます。周南製鋼所の新連続鋳造設備は順調に稼働を続けており、新鋼種の開発やマーケット展開など、さらなる製品競争力の強化と収益の獲得に努めていきます。呉製鉄所の新精錬炉についても、特殊鋼分野の製品レパートリーが拡充したメリットを活かし、新たな需要開拓による拡販を進めていきます。

構造改革についても、当社の創業事業である塗装・建材事業と、子会社である日新総合建材(株)の事業を統合し、新たな子会社「日新製鋼建材(株)」を2016年4月1日に発足させました。経営資源を集中させることにより、当社グループにおける塗装・建材事業のコスト競争力、開発力および販売力を強化し、お客様に新たな価値を提供します。

また、一昨年に発足した日新製鋼ステンレス鋼管(株)では、衣浦工場の造管ラインを休止し、本社一工場体制への移管が完了。最適生産体制の構築により、さらなる競争力強化に取り組んでいきます。

「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指して

2016年5月、当社および新日鐵住金(株)(以下、新日鐵住金)は、2017年3月を目途とする新日鐵住金による当社の子会社化、そして、鉄源の安定確保に向けて2019年度内を目途とする新日鐵住金からの鋼片供給の実施に関して合意しました。近年、世界最大の鉄鋼生産国である中国の経済成長の鈍化に加え、日本国内の鋼材消費も人口減少の影響により拡大が期待できないなど、鉄鋼業界を取り巻く国内外の事業環境が厳しさを増しています。さらにステンレスにおいても、海外メーカーの生産能力の増強により、国内外の市場で競争が激化しています。

このような状況下、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指す新日鐵住金グループへの参画で両社グループが持つ経営資源を結集させ、事業基盤のさらなる安定化と持続的成長の両立を実現していきます。

ステークホルダーのみなさまへ

2016年度は24号中計の締めくくりであると同時に、新日鐵住金による子会社化の実施など、当社グループが新たなステージへと駆け上がる節目の年でもあります。引き続き、企業理念である「鉄を通じてお客様の夢と理想の実現をお手伝いする」ため、環境変化に柔軟に対応しながら持続的な企業価値の向上に取り組み、さらに大きな信頼を得られる企業グループとなるよう努めていきます。本書をお読みのステークホルダーのみなさまには、これまで以上のご理解とご支援をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長 三喜俊典
(2016年9月発行時)