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特集:日新製鋼のイノベーション

日新製鋼グループは絶え間ないイノベーションの追求で、より高機能・高品質な製品の開発を推進しています。
2017年から新たにコア製品群に加わった、「黒ZAM®」「プラタイト®」の特徴をご紹介します。

意匠性と高耐食性を両立 高耐食黒色めっき鋼板「黒ZAM®

高耐食黒色めっき鋼板「黒ZAM®」

コア製品の一つ、高耐食溶融めっき鋼板「ZAM®」のめっき層を独自技術により黒色化し、高い耐食性と意匠性を両立させた業界初の新商品が「黒ZAM®」です。製造時に溶剤を用いず、電着塗装などの工程も省けるため、環境対応に適しています。

建材

「黒ZAM®」は、その名の通り黒色化しためっき鋼板で、鉄の重厚感・渋みを兼ね備えた美しい外観を有しています。従来の塗装鋼板と比較して耐摩耗性や耐キズ付き性、吸放熱特性に優れ、これまでプレコート鋼板では製造が難しかった板厚2.3mmという難易度の高い加工にも対応が可能です。このような特徴を活かし、高熱を発するモーターカバーなどの自動車部品をはじめ、住宅設備、家電など幅広い分野への応用が考えられます。「黒ZAM®」は堺製造所に拠点を置く表面処理研究所で開発を進めてきました。堺製造所には「黒ZAM®」製の制御盤を据え付けており、見学者の方々が製品の利点を体感できます。2000年に商品化した「ZAM®」は2014年の「ZAM」、そして今回の「黒ZAM®」と、社会のニーズに対応しながら進化を続けています。

「黒ZAM®」のメリット

  1. 従来の塗装製品からのコストダウン
  2. 小型化・省スペース化の放熱対策

Voice:黒いめっき鋼板が変える未来 ~「黒ZAM®」~

中野忠
表面処理研究所
表面処理第二研究チーム
サブリーダー
中野忠

きっかけはまったく別の実験を行っていたとき、偶然に黒色化した試験片を見つけたことでした。「なぜ黒くなったのか?」研究者としての興味からのスタートでした。当初は「生産できるのか?売れるのか?」と周囲も半信半疑でしたが、地道に実験データを積み重ねていくうち、これは面白そうだという雰囲気に変わってきました。

しかし、開発には世界初の設備を要することから困難を極め、鋼板の製品構成だけでなく、設備設計や制御方法などを一から検討する必要があり、毎日が未知なる領域への挑戦でした。夜遅くまで多くの関係者と議論を重ね、アイデアをひねり出し、一つひとつ課題をクリアしていく、という日々が続きました。

そして迎えた新規設備の初回テストは、忘れもしない昨年の2016年12月24日の夜10時。黒い衣装に身を包んだサンタクロースはわれわれに最高のプレゼントを運んできてくれました。それは黒く美しく輝く新製品が無事目の前に現れた瞬間でした。その場で食べたクリスマスケーキの味は格別であったことを今も思い出します。

この世界初の新製品「黒ZAM®」の開発に寄与できたことを誇りに思いつつ、これからも世界初を目指して開発に取り組んでまいります。

マルチマテリアル化に対応 特殊表面改質鋼板「プラタイト®

建材

「プラタイト®」は、国内鉄鋼メーカー初となる、鋼板の表面を改質して化学的特性を持たせ、プラスチックとの優れた接合性を実現した特殊表面改質鋼板です。「ZAM®」をはじめ、当社が製造する各種めっき鋼板・ステンレス鋼板へ適用できます。

建材

「プラタイト®」は、接着剤やねじを用いず、射出成形や熱圧着のみで直接プラスチックに接合できるため、省力化や工程の削減が期待できます。近年、自動車・通信業界などを中心に進展している、異種の材料を接合・併用することで高強度化や軽量化を図る「マルチマテリアル化」を見据え、幅広い分野でのニーズに応えていきます。

「プラタイト®」のメリット

  1. 工数が少なく低コスト
  2. 寸法精度が良い
  3. 接合部のガス封止性良好

Voice:国内初の直接接合技術 ~「プラタイト®」~

中野忠
商品マーケット開発部
新商品展開チーム
チームリーダー
西本繁文

「鋼板とプラスチックを組み合わせることでまったく新しい素材・機能をお客様へ提案する」――。これまで競合同士であったプラスチックと鋼板とのマルチマテリアル化は鉄鋼業界でも新しい取組みであり、研究・需要開発にも高いハードルがありました。

そのような中で、当部署ではお客様との会話の中で従来技術である『ねじ止め』や『接着剤』使用時に想定以上の手間と時間、コストを掛けているとの情報を得ました。そこで研究部門と連携し、「プラタイト®」の商品開発を進めることと並行し、接合プロセス開発も進めることでお客様にとって「プラタイト®」が」が使いやすい環境づくりにも積極的に取り組むことにしました。これによりお客様での採用につながり、現在では新しい用途での開発にも着手しています。

一方、「プラタイト®」は産声を上げたばかりの新商品であり、今後も変化が予想されるプラスチックとのマルチマテリアル化に対応するにはさらなる進化も必要です。当社の強みである「需要家密着」を一段と強化し、グループ開発本部総力で今後もマーケットニーズに対応していく所存です。