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エコファクトリー

エネルギーおよびCO₂排出量の削減

日新製鋼では、地球温暖化防止のために、日本鉄鋼連盟が策定した「低炭素社会実行計画」に基づいて、省エネルギー、CO2削減策を推進しています。

生産部門での取り組み

エネルギー消費量・CO₂排出量の推移

当社は、ものづくりの現場である生産工程において、省エネルギーマスタープランに基づいた積極的な省エネルギー対策を推進しています。

エネルギー消費に関して、高機能材料などのエネルギー増加要因もある中で、排エネルギー回収・工程連続化・操業改善・高効率設備などの導入等により、1990年度に対して2015年度でエネルギー原単位で1.9%、CO2原単位で0.4%の改善を達成しています。

エネルギー消費量の推移
エネルギー消費量の推移
エネルギー起源CO2排出量の推移
エネルギー起源CO2排出量の推移

生産部門における省エネルギー対策事例

呉製鉄所

12号熱風炉増設

【適用設備】1高炉

高炉で使用する熱風を発生させるための熱風炉を増設しました。この設備増設により熱風炉の熱効率が5%程度改善されました。

12号熱風炉

東予製造所

廃熱回収ボイラーを設置

【適用設備】連続溶融めっきライン

NEDOの補助金を受け、加熱炉に廃熱回収ボイラーを設置しました。廃熱を有効に活用することで、1,450t/年のLPG使用量削減を達成しています。

廃熱回収ボイラー

日新製鋼ステンレス鋼管(株)

ハースロールの非水冷化

【適用設備】焼鈍炉

ステンレスパイプ焼鈍炉のハースロールを、超耐熱鋼を使用した非水冷式のハースロールへ変更することにより、炉の熱効率を上げることで、燃料の都市ガス使用量を大幅に削減することができました。

非水冷式ハースロール

衣浦製造所

主要燃焼設備の高効率化・燃料転換(都市ガス化)

【適用設備】連続焼鈍炉、スラブ加熱炉、ボイラー、取鍋予熱装置等

所内主要燃焼設備の高効率化を兼ねた燃料転換(都市ガス化)を実施しました。当改善はNEDOの補助金を受けたもので、リジェネバーナ化も実施しています。この効果として、4,400t/年のCO2削減を達成しています。

焼鈍炉

温室効果ガス排出量低減の研究開発

製鉄プロセスにおける温室効果ガス排出量を抜本的に低下させる技術開発として、COURSE50*の共同研究に参画し、水素を多く含むガスを高炉の還元材として利用する技術や高炉発生ガスからCO2を分離する技術の研究開発を推進しています。

  • * COURSE50:CO2 Ultimate Reduction in Steelmaking process by Innovative technology for cool Earth 50

非生産部門での取り組み

物流における取り組みでは、鋼材、製鉄原料輸送を中心に、海運・陸運・倉庫などの物流ネットワークを活かして、合理的な物流を推進しています。  

特に内航船による日新製鋼と他社の共同輸送は、2015年度は82万t/年を実施しました。

82万t/年の共同輸送は輸送距離を年間約39万km短縮したことになり、輸送船の燃料節減により6.3千tのCO2排出を削減しています。

オフィスの省エネルギー対策にも積極的です。事務所などにおいて、昼食時間帯の消灯、クールビズの励行による空調温度抑制、パソコンの長時間不使用時の電源オフ、再生紙の利用、両面コピーの励行を実施しています。

社員の家庭での省エネルギーを励行するため、2005年度より社員100世帯前後の家庭が参加する、「環境家計簿」の取り組みを行っています。毎月の家庭での電気・灯油・ガソリン等の使用量からCO2排出量を集計し公開しています。

国際的な活動も推進しています。日本の優れた省エネルギー技術を世界に移転することで、世界全体で大きな温暖化ガス排出削減が期待できます。鉄鋼業として世界的な実効性のある温暖化ガス排出削減を提案・実行するため、省エネルギーに関する日印鉄鋼官民協力会合などのセクター別アプローチの活動に参加しています。

環境家計簿集計結果
環境家計簿集計結果

汚染・汚濁の防止

日新製鋼では、環境監視システム等による常時監視と環境負荷低減の合理的な対策によって、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等の各法令や各協定で定められた環境基準を達成しています。また、新たな環境負荷物質への対応や、特定化学物質の排出量の把握とその管理の改善を図っています。

大気汚染防止

燃焼により発生するSOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)、ばいじんを低減させるために、使用燃料の削減、天然ガス・LPGなどのクリーン燃料への転換、硫黄含有量の少ない石炭・重油の使用や燃焼技術の改善、低NOxバーナーの設置等の対策を実施しています。また、環境監視システムによりSOx、NOx、燃料使用量などの監視を行い、テレメータシステムで自治体にデータ送信をしています。粉じん対策としては、周南製鋼所においてSEF建屋集塵の導入等を実施しました。

SOx排出量
(1973年を100とした場合の推移)
SOx排出量
NOx排出量
(1973年を100とした場合の推移)
NOx排出量
ばいじん排出量
(1973年を100とした場合の推移)
ばいじん排出量

水質汚濁防止

製造所からの排水は、凝集沈殿、ろ過、生物処理等を行う排水処理設備により、SS(浮遊物質)、pH、COD(化学的酸素要求量)を適正に管理し、排水の水質改善を実施しています。また、テレメータシステムを用いて、水質管理上の主要なデータをリアルタイムで自治体に送信しています。

東予製造所では、使用した工業用水を敷地内の水処理設備で環境に無害な成分になるまでろ過、中和しています。また、水処理設備の安定稼働を現場確認とともに、監視センターで管理データやTVモニタリングを通して継続的に監視しています。

衣浦製造所の窒素排出量は、法定基準より厳しい愛知県の条例により、現在では第七次総量規制で排出量を約200kg/日以下とすることが求められています。規制が開始された当時衣浦製造所では排水中の窒素濃度を低減するため、酸洗にて大量に使用する硝酸の代替品開発と、硝酸の回収装置の大型化を検討しました。しかしいずれも技術面およびコスト面の課題がクリアできなかったため、第3の案として浮上した"USB生物処理"に高い窒素除去効果等が認められ、1998年から導入しています。16年以上を経過した現在も順調に稼働し実績を上げています。

土壌汚染防止

土壌汚染対策法および各自治体の条例を遵守するとともに、各事業所で使用する化学物質を適正に管理することにより、土壌・地下水の環境保全に努めています。

騒音・振動・臭気対策

環境法令を遵守するとともに、騒音、振動、臭気対策を自主的に推進しています。

化学物質等の適正な管理

当社では、環境アセスメントシステムにより化学物質の受入管理やSDS等の情報入手、安全な取り扱い、適正な処理、排出・移動の管理、商品中における化学物質の情報通知(商品SDS)等の一連の化学物質管理を実施しています。

(1)PRTR(特定化学物質の排出量把握・管理)

2015年度における対象化学物質の環境への排出量と所外への移動量(リサイクルや廃棄のための移動)を把握して報告を行いました。対象となる462種類の物質のうち、取り扱いのあった物質は30種類でした。

(2)VOC(揮発性有機化合物)

当社で管理すべき対象物質は、鋼板の洗浄工程で使用する有機溶剤(トリクロロエチレン、ジクロロメタン)と塗装鋼板の乾燥工程で発生する塗料溶剤(トルエン、キシレン等)です。VOC排出量は、2000年度以降、活性炭排ガス回収装置などにより大幅な削減を達成しており、2015年度では対2000年度比、86%の削減となりました。

(3)PCB(ポリ塩化ビフェニル)

PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法に基づき保管し、状況を自治体に報告しています。処理については、PCB処理に関する環境アセスメントを満足した中間貯蔵・環境安全事業(株)(JESCO)への委託処理を推進中です。

(4)ダイオキシン

ダイオキシン類対策特別措置法にかかわる対象設備は、電気炉、焼結機、焼却炉であり、これら設備の排出ダイオキシン濃度を測定し、報告を行っています。いずれの対象設備も規制基準をクリアしています。

(5)放射性物質

放射性物質は、原子力基本法等により厳しい管理がなされていますが、スクラップへの混入など万一の事態を想定し、日本鉄鋼連盟では検知システムガイドラインを作成しています。当社もこれに沿って検査機を設置し、検出時には国、自治体へ速やかに通報できる体制を整えています。

2015年度届出物質一覧表

年間1t以上取り扱っている第一種指定化学物質が対象
(特定第一種指定化学物質は年間0.5t以上取り扱っている物質が対象)

単位:t/年(ただしダイオキシン類はg-TEQ/年)

2015年度届出物質一覧表

リサイクル

日新製鋼では、自社の生産工程から発生するスラグなどの副産物の再資源化を促進するとともに、他産業の副産物等の鉄鋼資源化を推進し、循環型社会形成に積極的に取り組んでいます。

副産物のリサイクル

製造所から発生する副産物には鉄鋼スラグ*1、ダスト*2、スラッジ*3、廃油等があります。石灰(CaO)とシリカ(SiO2)を主成分とする鉄鋼スラグはセメント、道路用路盤材、土木工事などの分野で天然資源の代替品として大きな需要があり、有効に活用しています。特に高炉スラグを原料とする高炉セメントはグリーン購入法の「特定調達品目」に指定されています。副産物のリサイクル率は鉄鋼スラグが99%、そのほかの副産物が86%となっています。リサイクルの推進によって、天然資源の保護や地球温暖化防止にも大きく貢献しています。

  • *1 鉄鋼スラグ:金属を溶解、精錬する際に生成する岩石質の物質で、鉱石の脈石成分や副原料の石灰石が溶融し生成したもの
  • *2 ダスト:排ガス集塵機から回収されるもので、酸化鉄等を主成分とする
  • *3 スラッジ:工場排水処理後に残る泥状物質で、金属酸化物等を主成分とする
鉄鋼スラグ製品の用途
SOx排出量
鉄鋼スラグリサイクル率
NOx排出量

鉄鋼スラグ製品の販売にあたっては、製品の特性を活かして適切に利用いただくために鐵鋼スラグ協会作成の「鉄鋼スラグ製品の管理に関するガイドライン」(2015年1月14日改正)に沿った販売管理マニュアル(2015年3月改訂)を定めています。

呉製鉄所、周南製鋼所、衣浦製造所では、マニュアルの遵守状況について第三者審査を受け、運用の徹底を図っています。また各所の鉄鋼スラグ製品は、それぞれ広島県、山口県および愛知県のリサイクル製品に登録されています。

鉄鋼スラグ、ダスト、スラッジには鉄分が多く含まれています。呉製鉄所、周南製鋼所、衣浦製造所では、鉄鋼原料としてリサイクルをするため再資源化設備を設置しています。

呉製鉄所では、ダストリサイクリングプラントで再資源化後、焼結原料としてリサイクルしています。周南製鋼所、衣浦製造所では原料前処理と溶融還元炉で再資源化処理後電気炉原料としてリサイクルしています。

2008年に稼働した衣浦製造所の溶融還元炉プロセスについては、その実績が評価され国際ステンレス協会(ISSF)の2012年度サステナビリティ・アワードを受賞しました。また、呉製鉄所では2006年に廃レンガをリサイクルするための耐火物リサイクルセンターを稼働させています。

鉄鋼スラグ、ダスト、スラッジ等鉄源リサイクルプロセス

廃酸液の回収と再使用

衣浦製造所冷延工場では、焼鈍・酸洗を連続処理ラインにて管理しています。酸洗に使用する硝酸とフッ酸は、常時酸液の腐食速度を測定し、腐食速度が低下した場合には酸を追加しています。

冷延工場からの廃酸は、イオン交換樹脂を利用した硝酸・フッ酸回収装置を設置し、フリー酸を回収・再使用しています。また、酸洗ラインの硫酸電解槽から、排出される廃酸についても、硫酸鉄として、還元剤の補助に再使用しています。

この廃酸の再使用により、中和汚泥の発生量を大きく減少させています。

発生品のリサイクル

ステンレス鋼板製造の圧延・精整工程では、鋼板どうしの擦り疵防止のために鋼板と鋼板の間に合紙を挿入します。通常、繰り返し使用した合紙は廃棄物になりますが、周南紙業(株)ではこれを原料にして再生合紙にリサイクルしています。

最終処分量の推移

日本鉄鋼連盟の2015年度削減目標を業界で達成するため、当社は2015年度削減目標を掲げ、鉄鋼スラグ、ダスト、スラッジ等の発生量の抑制と、リサイクルおよびリサイクル用途の開発を推進し、目標を達成しました。今後も引き続き最終処分量の低減を推進していきます。

最終処分量の推移
(鉄鋼スラグ、ダスト、スラッジ)
最終処分量の推移